この間、親戚の子供の誕生会をしました。ケーキを買って、ごちそうを作って、プレゼントを用意して、大人たちは大忙しです。ただ祝われる本人は朝からご機嫌で、家じゅうを駆け回っていました。「今日はお誕生日なの」と皆知っていて、そのために集まっているというのに、全員に言っているのです。なんて微笑ましい四歳児でしょう。
そんな少女を見ていてふと思いだしたのが、祖母と母のことでした。祖母は自分の誕生日を忘れてしまうことも多かったけれど、「おめでとう」と言うと、とても喜んでくれました。それに対しては母は「もう年なんてとりたくないよ、面倒くさい」なんて言っていましたね。なにが面倒なのかはわかりませんが、年齢を重ねたくないという気持ちは、わかる気がします。なぜなら次第に不調が出たり、疲れやすくなったりするからです。祖母はその時期を超えてしまったのかもしれません。
ただ私は、いつでも誕生日を嬉しいと思える人でありたいと思います。だって、私が過ごしてきた時間も、これから歩む人生も、私だけのものですもの。良い時も悪い時もあります。大きな嵐に出会い、これが人生の底かと思う経験もしました。それでもやっぱり、自分の時間を否定したくはないのです。