実家に帰ると、必ず母の本棚を見に行きます。茶色の大きな本棚に、私の本が3分の1、妹の本が3分の1、そして母の本が残りの3分の1。読み終わるとすぐに古本屋に売ってしまう母の本は、あまり多くはありません。置いてあるのは、林真理子、向田邦子、小川洋子、などなど女性作家の本が多く、その他に圧倒的な量の猫の本。「猫びより」などの雑誌のバックナンバーから、猫の写真集、それからありとあらゆる猫とタイトルに入っている小説。かなりの猫好きです。
猫タイトルの本はいろいろあります。町田康さんの『猫にかまけて』、群ようこさんの『トラちゃん』、などの猫エッセイは王道で、若竹七海さんの『猫島ハウスの騒動』、柴田よしきさんの『猫探偵正太郎の冒険』などの猫ミステリー。タイトルには入っていませんが、ロバート・A・ハインラインの『夏への扉』などのSF小説。この本は、内容というよりもおそらく表紙に猫の後ろ姿のイラストが入っているから買ったのでしょう。
母の本棚を見ると、ずらっと並ぶ「猫」の文字に、ときどき目がチカチカするのですが、毎回新しい本が入っていて、それを探すのが面白いのです。猫の本って、こんなにたくさん出ているんだ、と嬉しい驚きがあります。