私は自分の個性を大切にしている人のことが結構好きだったりします。そのため、アーティストとして活躍している方々には特に興味があり、随筆などを読むことで「どんな思考を持ち、どんな暮らしをしているのか」を貪欲に知りたいと思うことも少なくありません。
今私が読んでいる書籍は、とある芸術大学に通う人々について書かれたノンフィクション作品です。音楽大学と美術大学が併設されており、多種多様なコースに通う生徒達のことを著者の独自の視点から捉えて書かれています。特に印象的なのは美術を学ぶ人々で、「芸術とは生きること」という表現がぴったりだと感じるほどに、個性的なのです。また創作する姿や日常生活からは、独創性と想像力を知ることができて、尊敬してしまうほどにユニークで素敵な思考を持っていることに気付かされます。取り分け印象的だったのは、「何でも買わずに作る」という心意気しょうか。彫刻科に在籍する女性が、スプーンやテーブルなど欲しいものは自分で作り上げてしまうところに、暮らしを楽しむ姿を感じることができました。
この本を読んでいると「生きることって楽しいことなのだ」と気付くことも少なくありません。アーティストは人知れず苦労もあるとは思いますが、消費社会に流されずに自分の流儀をもって暮らすことにとても魅力を感じます。この書籍に感化されたこともあり、私も独創的な視点を取り入れてみるのもいいかもしれないと密かに思っているのでした。